有識者によるiDeCoのコラム

第6回
iDeCoってどんな人にオススメ?

今、iDeCoに加入する人が増えています。iDeCoの正式名称は、個人型確定拠出年金です。私的年金制度の1つであり、加入は任意ですが、iDeCoに加入することで、公的年金にプラスして老後に給付を受けることができます。自分の将来の生活のために、自分で決めた掛金を積み立てながら自分で管理し、税制面でも大きな優遇措置があるため、老後資金を有利に貯めていける制度になります。

老後といってもまだ先の話と思う人もいるかもしれませんが、人生の中で最もお金がかかる「人生の3大資金」と言われるものの中に、住宅資金、教育資金とならんで老後資金が入っています。
老後生活を支える柱は公的年金制度になりますが、老後生活の全てを保障するものではありません。どのような老後を過ごしたいかは人それぞれです。より豊かな生活にするためには、様々な方法がありますが、その選択肢の1つとしてiDeCoがあります。

iDeCoは2017年1月から、加入対象が大きく拡大され、原則20歳から60歳の人全員が加入できるようになりました。ただし、会社勤めの人で、会社で企業型の確定拠出年金を実施している場合は、企業ごとの取り決め(規約)によって認められていればiDeCoにも同時加入できることになっています。また、加入できる場合でも、職業等や加入する他の年金制度によって掛金の上限が異なっています。
厚労省HPリンク:新しいタブでリンク先が開きます確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係

では、どんな人にオススメな制度なのでしょうか。答えは、基本的にはあらゆる年代の人です。特に若い人にオススメの制度といってもよいでしょう。

20代、30代の人にとっては、まだ老後は先のことかもしれませんが、実は、iDeCoに加入するのは早い方がよいのです。老後の資金準備は基本的に長期的視野に立ったものになります。時間をかければ少額から積み立てることができ、期間が長いほど複利運用の効果や掛金全額所得控除・運用益非課税の効果などの税の優遇メリットも大きくなります。掛金負担は月5,000円からです。もし、掛金の負担が辛くなったら、掛金の額を変更することもできますし、掛金の拠出の停止やその後の再開もすることができます。
普段の生活の中で、何に使ったかわからないようなお金や無駄に使ってしまうお金はありませんか?その分で将来の自分のために計画的に積み立てを始めると、心のゆとりが生まれ、今をより楽しむことができるようになるといえるでしょう。

iDeCoの受け取りは原則60歳からで、中途引き出しはできませんが、老後資金の確保のためには、iDeCoのように途中で引き出せない環境で管理することができるものが適しているのではないでしょうか。

また、iDeCoに加入したあと、転職をしても、年金資産は持ち運び(「ポータビリティ」といいます。)をすることができます。
転職先の企業で企業型確定拠出年金を実施していない場合や、実施していても規約でiDeCoへの同時加入が認められている場合は、引き続き、iDeCoの加入者として掛金を拠出することができます。一方、iDeCoへの同時加入が認められていない場合は、これまでのiDeCoにあった年金資産は企業型確定拠出年金に移すこともでき、その場合、企業型確定拠出年金の加入者として制度への加入は続くことになります。いずれにしても、確定拠出年金は続けることができます。

40代は、住宅ローン返済や教育資金など他にもお金がかかることが多くなる年代といえます。それと同時に、老後の生活を意識し始める年代であるといえます。長くなる老後の期間、健康でいることはもちろんですが、自分がどうありたいのか、自分が希望する老後の生活を描いてみることがまずは大切です。現状を把握し、老後に向けた資金対策がまだの人は、遅くとも40代になったら始めた方がいいでしょう。あとになって「もっと早く始めておけばよかった」と後悔する前に準備を始めましょう。

お金がかかる年代ではありますが、節約できるところは節約するなど家計全体を見直して、生活資金や使い道が決まっている資金以外で、老後資金の準備をしましょう。iDeCoの運用商品には、定期預金などの元本確保型のほか、投資信託の種類も多くあります。投資信託はそもそも分散投資の効果があるので、その分運用のリスクを抑えることができます。またiDeCoは、定期的な積立をすることで、投資のタイミングをとらえる必要がない時間分散の効果もあります。

50代の場合、積み立てられる期間は他の年代より短くなりますので、商品の選択には留意が必要になります。一方、iDeCoは税制優遇措置が大きく税金が軽減されることはこの年代にはとっては特にメリットであるといえるかもしれません。掛金が全額所得控除になること、運用益が非課税になること、受取時も税制上有利なことを考えると、老後の所得確保を少しでも増やしておくことは必要になるでしょう。また、今後、60歳以降も働くことを考えると、働くことによる収入の他に、老後に収入を増やす選択肢として、検討してもよいでしょう。

原則iDeCoに10年以上加入すると60歳から受取りを開始することができますが、それより加入期間が短くなると、少しずつ受取り開始時期が65歳まで延びます。ただし、要件が揃えば、実際自分がいつから受取りを開始するかは自分で決めることができます。例えば、自分の働く期間に合わせてiDeCoからの給付を受ける時期を自分で決めることができます。ただし、遅くとも70歳までには受取りを開始することになっています。60歳以降のライフプラン・マネープランをあらかじめ立ててみて、自分の老後を自分で設計したうえで、検討してみるとよいでしょう。

iDeCoは、公的年金にプラスして有利に自分の年金をつくる制度です。「運用する」というよりは、「自分の年金資産を管理する」制度と考えましょう。年代も考慮し、自分にあった選択をすれば、あまり難しく考える必要はないでしょう。気づいた時から、なるべく早めにiDeCoへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。何よりもスタートラインから早めの一歩を踏み出すことがポイントです。

iDeco加入から受取までの流れ

※ 当コラムに掲載されている内容は、2019年11月現在のものであり、今後の制度改正等により内容に齟齬が生じることがあります。
※ 当コラムは、執筆者の個人的な見解にもとづいて書かれたものであり、国民年金基金連合会としての見解を示すものではありません。
※ 当コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。
※ 当コラムに掲載されている内容(情報、画像、デザインなど)の著作権は、原則としてすべて当連合会に帰属します。したがって、当連合会の許諾を得ることなく使用(複製、転用、転載、改変、修正など)することを禁止します。

>講師 原佳奈子先生
講師
原 佳奈子先生

PROFILE

年金総合アナリスト
社会保険労務士、1級FP技能士、1級DCプランナーとして、年金・社会保障を軸とした将来生活設計に関する講演・執筆などを行う。株式会社TIMコンサルティングでは、取締役として、幅広い業界で企業研修の企画・実施支援に携わり、一般社団法人 企業年金・個人年金教育者協会(DCTA)では副理事長として、公的年金の他、確定拠出年金をはじめとする企業年金・個人年金、さらには老後を視野に入れた資産形成に関する啓蒙及び教育活動に携わる。
社会保障審議会 年金部会委員、資金運用部会委員

著書:金融財政事情研究会「公的年金ガイドブック」、中央経済社「社労士さんに聞いた年金と老後とお金の話」(編著)
連載:金融財政事情研究会「KINZAI Financial Plan『年金・社会保険の委細詳論』」等

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