トップ > ライブラリ > 資産運用の基礎知識
資産運用の基礎知識

はじめに

実際に年金資産を運用していくうえで、必要となる基礎的な情報を紹介します。ご自身が選んだ金融機関の運用商品を選ぶ際や、金融機関に相談する際の確認ポイントとして、ご活用ください。

金融商品の仕組みの特徴の理解

iDeCoの運用商品は、「元本確保商品」と「投資信託」の2つに分類されます。

(元本確保商品)
原則として、元本が確保されている運用商品のことで、 所定の利息が上乗せされます。代表的な商品に定期預金や保険商品があります。

(投資信託)
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品です。集めた資金をどのような投資対象に投資するかについては、投資信託ごとの運用方針に基づいて、専門家が行います。
投資信託の運用成績は、市場環境や経済情勢などの様々な要因によって変動します。運用がうまくいって利益が得られることもあれば、運用がうまくいかずに損失が出てしまうこともあります。
投資信託の主な種類には、投資対象となる資産や地域等により、

  • 1.国内債券型
  • 2.外国債券型
  • 3.国内株式型
  • 4.外国株式型

のほか、複数の資産を組み合わせたバランス型や、不動産を投資対象とする不動産投資信託(REIT)、退職する年のように、あらかじめ目標とする年を決め、最初は積極的な運用を行い、目標とする年に向けて積極運用の割合を引き下げていき(安定運用の割合を引き上げていき)、目標とする年(ターゲット・イヤー)に達したら、完全な安定運用に切り替わるターゲット・イヤー・ファンドなどがあります。

運用商品を選ぶ際に留意すべきこと

加入する際に決めた金融機関が、iDeCoの運用商品として、どのような商品を提示しているのかを確認し、元本確保商品の場合は、その商品の特徴や利率、留意点(解約控除の有無など)について、投資信託の場合は、交付目論見書(投資判断に必要な重要事項の説明書)に記載のある事項などについて確認しておきましょう。
投資信託の交付目論見書では、以下のような事項について説明しています。

  • 運用商品の性格や特徴(ファンドの目的・特色)

運用目的や方針(積極運用、安定運用など)について把握しましょう。

  • 運用商品の種類(ファンドの目的・特色)

投資対象となる資産(株式、債券、など)は何か、どのような資産配分(国内株式○%、国内債券△%、外国株式□%、など)で運用しているのか、などについて把握しましょう。

  • 期待できるリターン(運用実績)

過去の中長期的な運用実績(過去、何%程度の運用利回りだったか)を参考に、期待できるリターンの水準を想定し、ご自身の年金資産をどの程度の割合でその投資信託に配分するべきか、検討してみましょう。

  • 考えられるリスク(投資リスク)

投資信託は、運用している有価証券等の値動きによる影響を受け基準価格が変動すること、基準価格が変動した結果、発生する運用損益は、すべて投資信託を購入している投資家(iDeCoの場合、加入者・運用指図者)に帰属すること、などを理解しましょう。

  • 運用商品の価格に影響を与える要因など(投資リスク)

投資信託には、投資対象となる運用資産(国内外の株式、国内外の債券、不動産、など)の種類によって、価格に影響を与える様々な要因があり、それをリスク要因といいます。主なリスクとして、「金利リスク」、「為替リスク」、「信用リスク」、「価格変動リスク」、「インフレリスク」などがあることを理解しましょう。

※(  )内は、目論見書の項目
※ 運用商品に関する質問は、加入している金融機関のコールセンター等で受け付けています。

長期運用の考え方とその効果

iDeCoは、自らが掛金を拠出し、自らが運用方法を選び、掛金とその運用益の合計額を60歳以降に老齢給付金として受け取ることができる年金制度であり、基本的に60歳まで年金資産を引き出すことはできません。

例えば、30歳でiDeCoに加入したケースを考えると、途中で引き出しができないので、60歳になるまでの30年の長期間に渡り、ご自身で年金資産を運用していくことになります。

iDeCoは、長期運用を前提とした制度といっても過言ではありませんので、長期運用とは何かよく理解しておく必要があります。

(長期運用とは)
一般的に、長期で運用した場合は、短期で運用した時と比べ、リターン(収益)の振れ幅(リスク)が小さくなり、安定的に収益を得られると言われています。短期運用では、市場が下落傾向になると、その損失を短期間に挽回することは難しいと考えられています。長期運用では、市場が下落傾向の時もあれば、上昇傾向の時もあるでしょうから、収益(リターン)の振れ幅(リスク)が平準化し、安定したリターンが得られやすいと考えられています。
短期的な相場の下落や、目先の利益に捉われることなく、ゆったりとした気持ちで長期運用に取り組みましょう。

(長期運用の効果)
長期運用を行う場合の最大のメリットは、複利効果(預金:利息の再投資、投資信託:分配金の再投資)といわれています。iDeCoの場合、運用益が非課税なので、通常の長期運用より更に長期運用のメリットを享受することができます。

分散投資の考え方とその効果

資産運用の有名な格言に、「卵を1つの籠に盛るな!」というものがあります。この意味は、卵は壊れやすいので、鶏小屋から卵を運んで来る際には、1つの籠にたくさん入れるのではなく、複数の籠に小分けして運んだ方が良いという教えです。卵が割れてしまうかもしれないというリスクを複数の籠に盛り分けることで分散しているのです。

運用リスク分散の説明図

資産運用でも同じことが言えます。自分の年金資産で購入している運用商品が1種類の投資信託だけだった場合、その投資信託の基準価格が暴落すると、その被害は大きなものになります。しかし、複数の運用商品を購入していれば、その影響は小さく抑えられます。
また、分散投資には以下のような色々な考え方があります。

  • 資産の分散:預金や投資信託など様々な資産に分散して投資し、保有商品固有のリスクを軽減(どの商品をどれだけ購入するか、よく検討しましょう)
  • 時間の分散:例えば、購入のタイミングを年12回に分散し、購入価格を分散し平準化(iDeCoの加入者は、毎月の掛金で運用商品を購入するので、自動的に対応されます)
  • 地域の分散:日本の運用商品だけでなく、海外の運用商品にも分散して投資し、国固有のリスク(カントリー・リスク)を軽減

色々なリスクを分散させることを意識しながら、自分で購入する運用商品の組み合わせを考え、自分のポートフォリオ(自分が保有する運用商品の全体)のリスクの分散状況を把握しておきましょう。

リスクとリターンの関係

投資信託は、商品によって投資する対象が様々なので、リスク(収益の振れ幅)やリターン(収益)の大きさもそれぞれで違います。
投資信託のリスクとリターンの関係を把握し、自分の目的にあった投資信託を選ぶことが大切です。

(ポイント)
リターン(収益)を大きく求めると、リスク(収益の振れ幅)も大きくなります!
リスクを小さくすることを求めると、リターンも小さくなります!

リスクとリターン

リスクの種類と内容

リスク(不確実性、リターン(収益)の振れ幅)の種類には、「金利リスク」、「為替リスク」、「信用リスク」、「価格変動リスク」、「インフレリスク」等があります。自分が保有している年金資産に影響を与えるリスク要因は何か、把握しておくことも大切です。

「金利リスク」

金利リスク(金利変動リスク)とは、金利の変動により債券などの金利に対する感応性の高い資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
金利と債券価格の間には、「金利が上がれば、債券価格は下落する(損失が出る)」「金利が下がれば、債券価格は上昇する(利益が出る)」という関係が成り立っています。
債券などの金利に反応する資産を含む投資信託を保有する場合は、金利リスクを意識する必要があります。

金利変動リスク

※一般事業会社が発行する社債の場合、金利リスク以外に「信用リスク」も伴います。

「為替リスク」

為替リスク(為替変動リスク)とは、円と外国為替の相場が変動することにより、外貨建て資産の価値が変動する可能性のことをいいます。
円を基準として考えた場合、円高(例えば1ドル=100円が90円になった場合)になると、外貨建て資産として保有している100ドルが、10,000円から9,000円に目減りすることになります。逆に円安(例えば1ドル=100円が110円になった場合)になれば、
外貨建て資産として保有している100ドルが、10,000円から11,000円に増えることになります。
外貨建ての株式や債券などの資産を含む投資信託を保有する場合は、為替リスクを意識する必要があります(株式や債券を含む場合は、為替以外の価格変動要因に対する意識も必要です)。

為替リスク

「信用リスク」

信用リスクとは、有価証券を発行している国や企業などが財政難や経営不振におちいった場合などに、利息や元本などをあらかじめ決められた条件で支払うことができなくなる可能性のことをいいます。
このような事態が予想される場合、その国や企業の有価証券の価格は下落します。
ハイ・イールド債などの格付けの低い国や企業が発行した有価証券を含むような投資信託を保有する場合は、信用リスクを意識する必要があります。

信用リスク

「価格変動リスク」

価格変動リスクとは、株式や債券など資産の価格が変動するリスクのことです。市場取引の動向に左右されるため、マーケットリスクとも言います。
価格変動の要因は様々です。株式の場合、企業の業績に影響を与える国内景気や海外の情勢変化、為替、物価の動き等があげられ、それぞれが相互に関連しています。また、不正やスキャンダルの発生も、経営に大きな影響を与えるリスクのひとつです。
債券の場合は、市場金利が下がれば債券価格が上がり、市場金利が上がれば債券価格は下がります。

価格変動リスク

「インフレリスク」

世の中のモノやサービスの価格(物価)が上昇することによって、お金の実質的価値が低減するリスクのことをいいます。これは、物価が継続して上昇する状態(インフレーション)が起こることにより、相対的にお金の価値が下落し、保有資産の価値が目減りする可能性のことを意味します。
資産運用では、運用する金融商品の利率などより、物価の上昇率が高い場合に「インフレリスク」が生じます。

インフレリスク
Top