資産配分はなぜ重要?
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iDeCoで積み立てる年金資産は、iDeCoの加入者、運用指図者ご自身の判断と責任で運用商品を決めて、運用していただくことになります。ご自身の資産運用の結果次第で、60歳以降に受け取る老齢給付金の額が増えることもあれば、場合によっては減ってしまうこともあります。
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iDeCoの年金資産の受取額は、運用成績によって変わります。ですので、運用商品の組合せや配分をどのようにして、どのように資産運用するかを決めるのは重要です。
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元本確保商品、投資信託など、リスク(収益の振れ幅)・リターン(収益)が異なる運用商品に、どのような組み合わせで、どのくらい掛金を配分するかを決めるのが資産配分です。
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資産配分において分散投資をすることで、ある商品の価格が下落しても、全体としてその影響を小さく抑えて、リスクを軽減することが期待できますので、運用の成果にも影響してくると考えられます。
運用目標を考えてみよう
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iDeCoで資産運用に取り組む際は、運用利回りの目標を考えてみましょう。
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将来的にどのくらいの資産額に増えるのかは、
- 運用利回りや
- 毎月の積立金額
- 運用(積立)年数
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まずはこの3つについて、それぞれどのくらいの数値ができそうかを考えてみましょう。
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例えば、①積立金額は毎月1万円、②運用(積立)年数は30年だとして、③運用利回りを1%、2%、3%の3つのパターンで計算すると、30年後に積み立てられる資産額は図表のようになります。これらも一つの手がかりにして、将来積み立てられる資産額や、必要な運用利回りをつかんでいただければと思います。
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運用利回りの目標が見えてきたら、それに応じて、元本確保商品や投資信託などの運用商品をどのように組み合わせて配分するかを考えます。運用利回りが高くてご自身のリスク許容度に合わないようなら、毎月の積立金額や運用(積立)年数を上げる、目標資産額を下げるなど、見直す必要があります。
資産配分をするために、
運用商品の分類やリスク・リターンを確認しよう-
iDeCoで資産配分をするには、まずは、運用商品の分類を把握することが重要です。
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iDeCoの運用商品は、元本確保商品と投資信託の2つに大きく分類されます。
- 元本確保商品:原則として元本が確保されている運用商品で、定期預金や保険商品など。
- 投資信託:投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、その成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの運用商品。 個別の株式などを自分で売買するのとは異なります。
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さらに、投資信託は、投資対象となる資産や地域により、①国内株式型、②国内債券型、③外国株式型、④外国債券型、に分類されます。また、複数の資産を組み合わせたバランス型などもあります。
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運用商品ごとに、その仕組みと特徴、リスクとリターンなどは異なります。これらをよく理解して、自分に合った運用商品を選びましょう。運用商品の組合せや配分は、後から変更することができます。
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テーマ1でも前述したように、一般に、リターン(収益)を大きく求めると、リスク(収益の振れ幅)も大きくなり、リスクを小さくすることを求めると、リターンも小さくなります。
リスクの種類について
分散投資で資産配分しよう
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上記の運用商品の分類やリスク・リターンなどを把握した上で、資産配分を実際にどのように進めればよいでしょうか。資産配分は、次のような手順で進めることが考えられます。
- まず、元本確保商品と投資信託にどのように配分するのかを考えます。
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さらに投資信託の中で、どのような種類に配分するのかを考えます。
- 投資信託は、投資対象となる資産や地域により、①国内株式型、②国内債券型、③外国株式型、④外国債券型、に分類されます。また、複数の資産を組み合わせたバランス型などもあります。リスク・リターンなどはそれぞれ異なります。パッシブ型・アクティブ型の運用方法も把握します。
- ①元本確保商品を選ぶときは、その商品の特徴や利率、留意点(解約控除の有無など)について、また、②投資信託の商品を選ぶときは、投資信託の交付目論見書(投資判断に必要な重要事項の説明書)に記載のある事項なども確認するとよいでしょう。
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投資信託の多くは複数の資産に分散投資していますので、投資信託1本を選ぶことでも資産配分をすることができますし、投資経験がないため最初は元本確保商品を多くするということもできます。
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これらの運用商品の組合せや配分を考えていく際にチェックしておきたいのが、次のテーマで後述する、ご自身のリスク許容度です。
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